Tarragona滞在ノート

鳩に起こされ,カモメと走る古都の暮らし

Tarragonaのアパート探し

住んでみないと分からないその街の暮らし.是非,気に入ったアパートを探しましょう.あまり参考にならないかも知れないけど,私の場合は次のようにしました.

 

1. どこに住むか

アパートや住宅の検索サイトがいくつもあります.ここで条件(購入,賃貸,部屋数,場所)などを指定して,候補を絞ることが出来ます.私がよく見たのは,Idealist で,予算内で住めそうなところを絞りました.

Idealist サイトの例

町中で700eから1000eで多くの物件が見つかります.特に地図で場所を見ながら候補を絞るのは楽しい.借りるつもりもないのに,プール付きとか駐車場とかの写真を見ていると時を忘れます.一人暮らしする場合でも,studioにしないで,2 bed などが気持ちにゆとりが生まれます.Tarragonaには特に危険な場所はない(と思う)ので,どこを選んでもいいのですが,周りにレストランや食料品店が多いところが便利です.

このサイトは,Englishのメニューがあるので助かりますが,実はそこからが大変.contact のボタンを押すと不動産会社と連絡が取れるウィンドウが現れますが,+34の電話番号を求められます.そうです.メールを打ってもほとんどお返事は来ません.スペイン語に翻訳しても同様.結局の所,直接電話してアポを取っていかないと全く進みませんでした.実際は,みなさん英語は解してくれるのですが,お返事はスペイン語ということが多いです.

私の場合は,研究室の秘書さんのミリアンさんが交渉に立ってくれて,通訳から手続きからまでほとんど頼ってしまいました.お部屋選びにも付き合ってくれて,本当に助かりました.ホストの教授も,不動産を何件か一緒にまわってくれましたけど,ミリアンさんがいないとホテル暮らしが長く続いたことと思います.留学生が来た時も,いつもサポートしているそうです.

思い描いていたアパートの条件は,

  • 安全で(交通や買い物に)便利なところ,大学まで遠くても良い
  • 海が見える明るい部屋
  • 家族も呼べるところ
  • 家具付き,インターネット付き
  • 書斎付き

でした.贅沢?すみません.最初は大学の短期赴任者用アパートですが,もうなくなっていました.学生寮は新しくて,この条件の多くを満たしていましたが,ワンルームで狭く,かつ800e位するので見送りです.

旧市街の古いアパートの3階,アパートが立ち並ぶ住宅街の部屋などの候補を絞り,見せてもらったところ,エレベータがなくて3階(実際は4階)まで歩かなくてはならないのと,エアコンがないことで,見送りました.色々と条件を言っていたら,なら,これまでオフィスに使っていた部屋があるけど,借りてくれるなら家具を買ってあげると申出があり,そこで見た部屋に決めてしまいました.駅に近い4階建ての1Fで,古いエアコンあり.バルコニーが3箇所あって,南と西に面した角部屋.そして,海が見え(そう),なのを気に入りました.期待していなかった良いところと,思いがけない困ったことの両面がありますが,いずれ別の機会に.

 

2. 私のお部屋

私のアパートを紹介します.

ここの1Fの角部屋です.バルコニーには鳩よけのネットがかかっています.下は中国人の女性がやっている雑貨屋さん(このお話もいずれどこかで).屋上にあがることもできます.海が見えます.夜景も綺麗です.右に行くとRenfeの駅まで3分.左に上っていくと,街の中心街のRambla Novaまで5分,多くのお店もあります.手前に降りていくと,毎日通ったバス停まで1分.そのままトンネルを潜るとハーバーに出ます.

入り口についているインターフォン

入り口で部屋の人に鍵を開けてもらわないとロビーに入れません.郵便受けも内側にあり,Amazonの置き配とか出来ません.上に,青い看板の一部が見えますが,私の部屋は元セラピストのオフィスになっていたそうで,今もそれが残っています.そして,1-1番です.どういうことが起きるか分かりますか?

そうです.郵便物を持ってきた人は,とりあえず,1-1を押すので,私の部屋のブザーが頻繁に鳴ります.こちらは何を言っているかわからないけど,「オラー,バレー」と言って鍵を開けていました.(悪用しないでくださいね)

 

お部屋の中も紹介します.

1. 寝室.買ってもらったばかりのベッド.

この部屋に洗面台とシャワー室が付いています.右手の壁はクローゼットですが,ハンガーをかけるところがなくて作ってもらいました.この窓をあけると小さなバルコニーがあって,ここに鳩が卵を生みました.

2. 書斎.これも中古の机と椅子を買ってもらいました.

3部屋もいらんよ,と言ったのですが,書斎にしてもらって良かったです.結局家で仕事をしないといけないタイミングも多くて,リビングや寝室と違う部屋でメリハリが付きました.

3. リビング.ソファーやテーブルは新品.エアコンは修理が必要でした.

この時は靴であがっていますが,玄関で脱ぐようにしました.日本人なので.バルコニーにでるところにマットが敷かれていますが,実はあれはその下の木目がめくれているところを隠しています.無垢材を使った木の床です.ソファーの向かいにはテレビ台があるのですが,荷物置き場にしていました.

4. 広いキッチン.ここに洗濯物も干せます.洗濯機と冷蔵庫は新品.

コンロがありますが,その下のオーブンも含めてリプレースになりました.冷蔵庫の隣の棚には,注文して電子レンジを入れてもらいました.後から,コーヒーメーカ,湯沸かし器,トースターを追加購入して,朝食は毎朝作って食べていました.

この天井に,今は煙突が設置されています.瞬間湯沸かし器が古く,夏のある日にボンと音を立てて壊れてしまったためです.湯沸かし器は重要で,シャワーも使えませんし,冬の間のはスチームの暖房源にもなっているためです.(1のベッドの脇にあるのがスチーム.各部屋に付いています.トイレが一番暖かい).

 

3. 困った時は

書きながら,様々なトラブルが思い出されてきました.一人暮らしだったので,業者さんに来てもらうためには家にいないとならず,しばしば大学にいけませんでした.ジョセフ先生は,「またアパートの障害?この次来たときには,君のためにタラゴナで一番いいアパートを探してあげよう」と笑っていました.

スペイン語しか通じない話をしましたが,アパートの大家さんのノーマさん,不動産屋のブランカさんは英語もお上手でした.Whatupのアプリを入れて,何かあったらチャットしていました.ノーマさんは時々来てくれて,自らエアコンを修理したり,風呂場にシリコン入れたりと大工仕事もしてくれました.業者さんは何人も来たのですが,バイトのURVの学生さんを除いてほとんど英語は話せず,でも身振り手振りでしのぐのでした.

 

4. その他

スペインの都会はアパートが多いです.家に住んでいるのは,郊外が多いようです.タラゴナに限っては,ビーチの奥の方に住宅街があり,そちらは家が多そう.短期滞在者には少し不便な印象です.

学生さんの多くはルームシェアでアパートを借りているそうです.PDのみなさんは,Reusなどの近郊の街から車で通勤している人が多いです.そちらの方が家賃が安いとのことですが,検索している限りそんなに変わらないかな.タラゴナの街中には,観光地だけでなく,駅もデパートもショッピングモールもあり,生活するには便利でした.大学の近くにもアパートが多くて,そちらの方が安いそうです.

アパート探しをしている時に,ジョセフ先生が言うには,「短い期間住むなら便利なところが良い,長い期間住むなら美しいところが良い」.同感です.先生方の多くは,結構遠くの街に住んで,日本みたいに電車で1時間もかけて通ってきている人も多いです.でも私にとっては,タラゴナの市内は,十分に美しく,十分に便利な街であります!