Tarragonaのインターネット
衣食住と同じくらい大事なのがネットワーク環境.最初に確保したいものの一つですね.ネットワークさえあれば,テレビも映画も新聞も本も日本と変わらない生活ができます.「Tarragonaの」と題しましたが,スペインどこに行っても同じ様なものだと思います.
1. プリペイドSIM
日本から着いてしばらくはこの世話になります.出国前にAmazonなどで購入しておくと便利です.私はThreeというUKのものを買いましたが,スペインでも問題なく使えます.これを使い切ったら,街中で入手する必要があります.(空港でもあるのかもしれないけど,まだ見つけていません.)
この辺が入手可能なSIMです.Vodafone, Orange,Movestarなどの店舗が街中にありますが,多くは契約回線の店舗でPrepaid SIMはやっていないと門前払いになりました.その点,上のプロバイダーはTier 2,3のリセラーですが,PARC Central のモールの中や,Rambla Nova の中にあります.Ramblaの店は,昼間は閉まるので午前か夕方です.iPhoneやAndroidならば,指すだけで使えます.
注意: 身分証明としてパスポートが必要です.SIMにPINが書いてあるので,どこかでメモしておく.
Threeが使えないケースがありました.トップアップが必要とか.
2. 公衆WiFi
あちこちにWiFiはあります.ホテル,空港,登録が必要だったりしますが,多くはそれでしのげます.大学関係者なら,Edurome (大学間ローミングサービス)も普及しています.地方に行った時,大学でなくても公共施設で使えることがありました.
御存知の通り,これらは怪しいものも混じっています.自分のホスト先にVPNなどして使ったり,大事な情報は流さないなどの注意も必要です.
3. Fibra 光回線
さて,アパートへ回線を引きましょう.私は,ミリアムさんお薦めの,Simyoにしました.一番安かったからです.(しかし,リスクもありました).私が契約したのは,
- Fibra100 (100Mbps 光回線)
- モバイル 40GB
- 32.99 euro/month
という条件でした.この下に,20GBという条件で28.99というのもありました.契約手続きしている内に,キャンペーンが更新されて,同じ値段で 25GB→40GBになりました.毎月,帯域が増えているらしいです.40GB使い切ったことはありません.日本のISP料金が世界で一番安いという話を聞いたことがありますが,5000円位だったから,レートによってはこのプロバイダーの方が安いかも.
問題はその契約方法.次の手順を取ります.
- ネットで申し込み
- 市内の代理店(PC-Box)で契約
- ルータ設置の予約
- アパートにて設置
このそれぞれにトラップがありました.まず,PCBoxはいわゆるパソコンショップで,タラゴナに3件位あります.Simyoのポスターも貼っているけど見せかけだけで,契約できるのは上のリンクの店だけです.そこには英語のできるおじさんがいて,相談に乗ってくれます.パスポートのコピー,NIE (住民番号),銀行口座のコピーなどを物理的に提出しました.支払いは,毎月口座からの自動引落です.
次のトラップは,ルータの予約.メールアドレスを登録したので,予約のメールが来るのを待っていたのですが来ません.日本の国番号の電話番号も渡していましたが,それにはかけてくれません.ではどうするかというと,もらったSIMを電話に刺して,その番号あてに連絡が来るのです.もちろんスペイン語で.英語でやり取りすると,プツリと切られます.この辺が大手との違いかも.英語のできるオペレーター位いるだろうと思ったのですが甘かったです.
結局,私の場合は,1週間後にこの申込はキャンセルされたという連絡が来て,慌ててPCBoxに行ったら,もう一枚SIMを渡されました(そしてそれがトラブルの原因に...).研究室のアンドロイドを借りて刺したら,たちまち電話がかかってきて,ジュスースさんに代わりに話してもらいました.
予約した時間とはかなり遅れましたが,ちゃんと来てくれた工事士は英語も上手でプロフェッショナルでした.ここは期待以上.アパートのどこかに回線を引き込まなくてならず,どうするのかと思っていたら,初めて見るアパートだろうに,適当にいくつかパカパカあけて,手際よくケーブル通していきました.
ここから,部屋の玄関の天井にもケーブルを通し,電話線の先まで伸ばしてもらいました.天井にそれらしき蓋が何箇所かあるのですが,ここだろう,と一発で当てたのも感心.
1時間程度で工事完了.直ぐに快適に使えるようになりました.どの部屋からも繋がります.Mobileの方も,スペインでもパリでもちゃんとローミングして繋がりました.
4. 注意事項
- Yahooは欧州では使えません.NHKプラスなどもそうです.VPNで日本に繋ぐ必要があります.
- Simyoは,スペインで最も遅いプロバイダーだそうです.だから,こっちにしろ,と他のプロバイダーを薦められます.遅いと言っても,ちゃんと80Mbps程度は出ていましたし,Mobileはもっと遅いので全く問題はありません.
- 日本のSIMはそれで,多要素認証などで使うので,残しておく必要があります.2台持ちにします.
- 私のトラブルは,上の手続きの際のもう一枚の無効になったSIMの代金14eが毎月課金されていました.番号も知らないのにプンプン.(10ヶ月も気が付かなかった私が悪い?)
- Fibra は「フィブラ」と言います.ファイバーではアリマセン.
- 契約する時は,手伝ってくれたPCBoxですが,解約のお手伝いはしてくれません.契約の時だけマージンをもらう仕組みなのでしょうね.「その電話の121に電話してみな」「スペイン語のオペレーターしかいない?じゃあメールしてみな」「おかしいなあ,でもSimyoに聞いてくれ.(わしは忙しいんじゃ)」
行きは良い良い帰りは怖い.ああ,無事に解約できるのだろうか(←今ここ)
Tarragonaのバスカード
この街ではどこに行くにもバスが便利です.電車よりも本数が多く,時刻表に沿って信頼性も高いです.(ちょっと癖がありますがそれは最後に)
1. 主なバス会社
- 市内路線バスEMT
- 空港行きPlana bus
- Reus行きMono bus
- Altafulla行きPenedes bus
1は市内どこでもZoneの範囲内で統一料金,番号で路線が別れています.先払いです.私がよく使うのは,駅からURV行きの41番,メルカド前からURV方面の54番などです.Pont del Diable ローマ時代の水道橋に行きたい時は 85番や5番.いずれも,1.6eで,現金です(2023年2月).市内のあちこちにバス停があるので分かりやすいです.私がいる間に2回値上がりがありました.
2は空港行きのバス路線でお世話になりました.片道14.95e (2023年2月).白いバスにPlanaの文字が分かりやすいです.空港からの道のりは,これに乗るかバルセロナ経由でRenfeかのどちらかですが,空港が両者の間にありますので,圧倒的にバスが楽です.ただし,チケットはクレジットカードでは買えないので,運転手に現金で払うか,事前にネットで買う必要があります.AVEなどの高速鉄道の駅,Camp Tarragonaに行くにもこのバスが便利です.ターミナルでは1,2番から出ています.
3は隣町のReusやビーチのあるSalou行きのバスです.expres.cat の緑のマークが着いています.片道2.05e (2023年1月).URV行きのルートもあるそうです(未確認).ターミナルではトンネルを潜って,11番あたりから出ています.
4は今度は北の隣町のAltafullaやToradanbada行きのバスです.ウェブサイトを見ても時刻表が探せなかったけど,出てすぐの5,6番あたりから出ています.真っ赤な車体が目印です.片道2.05e(2023年1月).
2,3,4番はTarragona Bus ターミナルから出ていて,1番はその前のラウンドアバウトの反対側,Imperial Tarraco 辺りに多くのバス停が集中しています.TGN(Tarragonaの略)の大きな立体看板が出ているので分かりやすいと思います.下の時刻の案内見ても分かりますが,多くのバス業者が混在していますね.(でも,それぞれの該当する時刻表がまちまちです)
2. バスカード
全てのバスが初乗り支払いです.定額がほとんどで,行き先で値段が変わる後払いはあまり見ません.初めは分からず,現金を握りしめて乗っていましたが,ほとんどの人は非接触バスカードで支払いです.人が多いと,中のドアも開けてくれて,そちらにも支払い機があります.現金は運転手のところだけ.
このカードは,バスターミナルの中の売り場で求められます.Zone 1で10回券を買っても6.15e(2023年2月).よく20回券を買っていました.市内の1.6eのバスに乗りたいと行って買ったのでそれしか乗れないと思っていたのですが,他のバス業者にも使えました.2.05eの区間でも.(どこまで乗れて,どれが正しいのか実はまだよく分かっていません)
3. 注意事項
- お年寄り,妊婦には席を譲りましょう.車椅子も専用の乗り場があって,バスからタラップが降りてきます.席を譲る若者もよく見かけました.
- バスに乗る時は感染対策のマスクが必要です.2022年5月ごろには,正しくかけてないと運転手さんに怒られました.2023年1月ごろ,やはり私はマスクをして乗りますが,欠けていない人も増えてきたような気がします.制度が変わったかな?
- 空港のPlana Busは13番位から出ますが,案内が全くありません.それらしいスーツケースを持った人たちが集まるので大体分かります.混んでいる時間帯には,事前にもう一台バスが来て,チケットの購入などの手続きを支援してくれることも多いです.
- バスターミナルの人は英語を解してくれますが,時刻表などの情報はほとんどがスペイン語もしくはカタルニア語です.案内の係の人も居ないときが多くて,事前に準備するのが確実です.
- 時間は割と正確です.もちろん道路状況に寄るのでしょうけれど,幸いTarragonaは田舎なので,ごにょごにょ.
- 日本ではないので,バスの中で寝ないように.(すいません)
- 「次のバス停」を意味するカタルニア語は,「プロペラパラダ」と言います(何の役にも立たない情報)
Tarragonaのゴミ捨て
生ゴミはいつ捨てるの?リサイクルはするの?捨て方は?ルールを知らないで顰蹙を買う外国人にならないように,最初に確認したことでした.
結局の所,実に単純でした.
1. ゴミの分別
- 生ゴミ(茶色)
- ガラス瓶(緑)
- アルミ缶・ペットボトル(黄色)
- その他のゴミ(灰色)
- 紙(青色)
に分けて捨てます.このうち,灰色と茶色が19:00から21:30と指定されている他はいつ捨てても構いません.出勤前にお父さんがごみ袋かかえて,なんてことはないのです.
このゴミ捨て場が街のいたるところにあります.例えば,私のアパートの半径10メートルの間に3箇所あります.どこで捨ててもOK.自治会のテリトリーが厳密な日本とは大違いです.
ゴミ箱のデザインなどは多少違いますが,どこの街も同様な仕組みのようです.黄色がリサイクルとかの色も割と統一されています(多分).
2. ゴミ回収のしくみ
なんで夜にゴミを出していいのだろうと不思議に思っていました.2ヶ月位暮らして,ようやくその謎が溶けました.夜です.この時間以外の深夜にゴミ収集車が回って,市内を清掃しているのです.
7月の10時頃のシーンです.食事をしている人の後ろで,緑色のトラックとそのクレーンで吊り上げたゴミ箱が分かりますか?(もっと分かりやすいシーンも撮ったはずなんだけど,写真が見つからず.後で探してみます.)ワンマンカーで,人の手はゴミ箱に触れずに機械的に収集しています.クレーンが緑の上まで行くと,自動的に底が開いてゴミが落ちます.クレーンの操作はリモコンで行い,たまに車の外にでて操作しているときもあります.
確かに真夜中2時頃にアパートの外で工事の様な音が聞こえることがありましたが,実はゴミ収集と掃除をしていたのでした.歩道を水で洗い流す小さなトラックと,直接ゴミ拾いをする作業員の人たちが朝まで作業をしています.どうもご苦労さま.早朝から開いていて,朝からビールを飲めるバルがあちこちにあって不思議だったのですが,その謎が繋がったのでありました.みなさんご苦労さまです.
進んだシステムでいいなと思う反面,ルールが徹底されていなくて,匂いがするゴミ捨て場があったりします.毎月の家賃に,このための税金が13e取られていました.それぐらいの価値のあるサービスとは思います.
注意事項としては,
- 公共ゴミ収集が進んでいる反面,割とゴミ捨てマナーは悪い.ゴミ箱の外にゴミが溢れているところもあり.
- 道路をすぐ掃除してくれるためなのか,犬の散歩をする人たちは糞はそのままが多い.
- 色のシステムが徹底しているためか,大学のゴミ捨て場は色分けだけで説明がない.空き缶はどの色だっけ,迷うことしばしば.
私が生ゴミと空き缶などを分けていたら,
「日本人は真面目だねえー」
と大家のノーマさんがあきれ(感心)していました.
Tarragonaで食料品お買いもの
慣れてきたら是非食べ物を購入してみましょう.ここは特にTarragonaならではという話ではないのですが,いくつか注意事項を.
1. 食料品店のリスト
- Mercadona
スペインにある一番メジャーなお店.どの街にもありますが,TarragonaではCentral Melcado 中央市場の地下に入っています.私はそれがメルカドーナとずっと気がついていませんでした.品揃えが豊富.パン屋さんは種類と値段が分かって買いやすいです.チーズも種類が豊富.生ハムを切って売ってくれるところやお魚売り場があります.
レジのカゴがなぜか巨大なのしかなく,カゴなしで両手にいっぱいになって買い物をしている人をよく見かけます. - Spar
これもメジャーなお店.Tarragonaにも4,5箇所あります.独自のSparブランドのものも安く出していて,トイレットペーパーなどはここで買っていました.ものも安いのですけど,平日は9時に締まり,日曜日もやっていません.Euro Sparという店もありますが,違いがよく分かっていません.Pdoduct de Catalunyaという棚があって,そこで地元のビールやワインが手に入ります. - Carrefour
旧市街の入り口にあります.中に入ると広いです.果物売り場などが充実していました.フランスの食料品店ですよね.チラシがよく入っています.出来合いのお惣菜なども豊富です. - Caprabo (Esoski)
昨年の夏にうちの近所に急に出来た小さなメルカド.でも一通り品揃えはあり,Esoskiブランドのものが安いです.ビールとか水とか重たいものを買うのはほとんどここにしていました.日曜日もやっています.ここのEsoskiブランドのヨーグルトと スープが安くて,かつ,私の舌にある薄味のスープでよく買いました.一番お世話になったかも. - Chater (Consume)
これも近所でよく行きました.スイカとかメロンとかを,半分に切って売っているのが重宝.パックになって金額が明記されていて安心できたので,フルーツはここと決めていました.Consumeというブランドのものを置いていて,そちらは市内にも他に何件もあります.
他にも,Suma, Dia, Condis などがあります.Sparよりも夜遅くまで開いている印象です.また,supermercado という個人商店のような店もあちこちにあり,競合しないのか不思議です.
2. 買い方
日本と同じです.買い物かごに入れてレジで精算.ちょっとだけ違うのは,レジ台の上に自分で購入したものを置かなくてはいけないところ.カゴごとどん,と置いておまかせとは行きません.
多くの場合,
「bolsa ボルサ?」
と聞かれます.レジ袋のことです.日本と同じで有料です.最初の数回は,シーと言ってもらっていましたが,再利用できるようなしっかりした袋だったので,それを常にかばんに入れて持ち歩いていました.「ノーグラシアス」でOKです.
商品の値段はちゃんと掲示されているので安心ですが,果物はkg 単位です.精算の時にレジのところにある測りで計測して課金されます.
金額をスペイン語で告げられたら,
「tarjeta タヘルタ」
と告げましょう.デビッドカードで,非接触で決済です.高額の時はさらに,PINを聞かれます.レシートはお願いしなくても,ほとんどの場合くれます.
3. 手に入らないもの
日本のものは変えないのは当然ですが,お醤油などは売っていたりします.(日本食材店はTarragonaにはありません.Barcelonaなどの大都会に行った時に買いだめしましょう.)他にも手に入りづらいものに次があります.
- ドリップ式のコーヒー.
モンカフェみたいなお湯を注ぐだけのコーヒーを買おうと思っていたら,こちらの人はエスプレッソが主流なのか,ほとんどないか,種類が少ないです.逆に,Nespressoや,Dolce Gustoなどのカプセルタイプで入れる種類は豊富.迷った末に,SparでDolce Gusotoマシンを購入してしまいました.50e位.これは大正解でした.毎朝使っています. カプセルは写真のような,Cafe con leche 16個入で,4e位です.使い方もお手入れも簡単. - ドレッシング.
ないことはないのですが,お店に行くと,多くの場合はオリーブオイルとバルサミコ酢に塩胡椒が置いてあって自分で作ります.数少ない種類の中から,私はConsumeのCesear ドレッシングを朝は使っていました.逆にオリーブオイルは種類も豊富でどこのお店にもあります. - ポケットティッシュ.
ティッシュは高いなあと感じるものの1つ.日本のファーマシーにあるような4箱入って数百円みたいなのもほとんどありません.クリネックスとかは一箱2e位したかも.とりわけ,ポケットティッシュについては,なかなか売っていなくて,雑貨屋さんBazarで見つけたものを大事に使っていました. - 冷凍食品.
これは正確にはあります.ただ,日本の味の素などのクオリティを求めてはなりません.冷凍ピラフを見つけてしめしめと買ってきたら,匂いがするし,味はついていなくて,ごはんはぼろぼろ.完食するのに苦労しました.
逆にかわったところで,アイロンに使う専用水を売っていました.こちらの水道は硬水で,スチームアイロンに使ったら白い粉を吹きました.なのでこんな専用の水,おそらく,蒸留水でしょうけれど売っています.1eぐらいでした.(ちゃんと減っているでしょう.使っていました)ついでに洗剤の候補も載せておきます.最初は何を買ったらいいのか途方に暮れてミリアンさんに教えてもらいました.
4. 注意事項
- コンビニではありません.24時間営業出ない店がほとんど.日曜日に閉まっている(Spar)のも多いです.朝も8時過ぎまで開きません.
- 自分でレジ袋に詰める時に入れ忘れに注意.私はこれを何回かやらかしてしまいました.コーヒーのカプセルを忘れた時は,勇気を出して,レシートを持って交渉してみたら,周りのお客さんが通訳してくれて,店員さんに覚えていた人がいたらしくちゃんと商品を渡してもらえました.
おまけで安売りチラシの例を載せます.どんな意味か分かりますか?
(こたえ)2a unitat は「2個目」の意味.なので,この商品を2個買うと,2個目は半額にしてくれるというものです.2個とも安くなるんだろうと買って,後でレシートを見て首をひねったのでした.
Tarragonaのアパート探し
住んでみないと分からないその街の暮らし.是非,気に入ったアパートを探しましょう.あまり参考にならないかも知れないけど,私の場合は次のようにしました.
1. どこに住むか
アパートや住宅の検索サイトがいくつもあります.ここで条件(購入,賃貸,部屋数,場所)などを指定して,候補を絞ることが出来ます.私がよく見たのは,Idealist で,予算内で住めそうなところを絞りました.
町中で700eから1000eで多くの物件が見つかります.特に地図で場所を見ながら候補を絞るのは楽しい.借りるつもりもないのに,プール付きとか駐車場とかの写真を見ていると時を忘れます.一人暮らしする場合でも,studioにしないで,2 bed などが気持ちにゆとりが生まれます.Tarragonaには特に危険な場所はない(と思う)ので,どこを選んでもいいのですが,周りにレストランや食料品店が多いところが便利です.
このサイトは,Englishのメニューがあるので助かりますが,実はそこからが大変.contact のボタンを押すと不動産会社と連絡が取れるウィンドウが現れますが,+34の電話番号を求められます.そうです.メールを打ってもほとんどお返事は来ません.スペイン語に翻訳しても同様.結局の所,直接電話してアポを取っていかないと全く進みませんでした.実際は,みなさん英語は解してくれるのですが,お返事はスペイン語ということが多いです.
私の場合は,研究室の秘書さんのミリアンさんが交渉に立ってくれて,通訳から手続きからまでほとんど頼ってしまいました.お部屋選びにも付き合ってくれて,本当に助かりました.ホストの教授も,不動産を何件か一緒にまわってくれましたけど,ミリアンさんがいないとホテル暮らしが長く続いたことと思います.留学生が来た時も,いつもサポートしているそうです.
思い描いていたアパートの条件は,
- 安全で(交通や買い物に)便利なところ,大学まで遠くても良い
- 海が見える明るい部屋
- 家族も呼べるところ
- 家具付き,インターネット付き
- 書斎付き
でした.贅沢?すみません.最初は大学の短期赴任者用アパートですが,もうなくなっていました.学生寮は新しくて,この条件の多くを満たしていましたが,ワンルームで狭く,かつ800e位するので見送りです.
旧市街の古いアパートの3階,アパートが立ち並ぶ住宅街の部屋などの候補を絞り,見せてもらったところ,エレベータがなくて3階(実際は4階)まで歩かなくてはならないのと,エアコンがないことで,見送りました.色々と条件を言っていたら,なら,これまでオフィスに使っていた部屋があるけど,借りてくれるなら家具を買ってあげると申出があり,そこで見た部屋に決めてしまいました.駅に近い4階建ての1Fで,古いエアコンあり.バルコニーが3箇所あって,南と西に面した角部屋.そして,海が見え(そう),なのを気に入りました.期待していなかった良いところと,思いがけない困ったことの両面がありますが,いずれ別の機会に.
2. 私のお部屋
私のアパートを紹介します.
ここの1Fの角部屋です.バルコニーには鳩よけのネットがかかっています.下は中国人の女性がやっている雑貨屋さん(このお話もいずれどこかで).屋上にあがることもできます.海が見えます.夜景も綺麗です.右に行くとRenfeの駅まで3分.左に上っていくと,街の中心街のRambla Novaまで5分,多くのお店もあります.手前に降りていくと,毎日通ったバス停まで1分.そのままトンネルを潜るとハーバーに出ます.
入り口で部屋の人に鍵を開けてもらわないとロビーに入れません.郵便受けも内側にあり,Amazonの置き配とか出来ません.上に,青い看板の一部が見えますが,私の部屋は元セラピストのオフィスになっていたそうで,今もそれが残っています.そして,1-1番です.どういうことが起きるか分かりますか?
そうです.郵便物を持ってきた人は,とりあえず,1-1を押すので,私の部屋のブザーが頻繁に鳴ります.こちらは何を言っているかわからないけど,「オラー,バレー」と言って鍵を開けていました.(悪用しないでくださいね)
お部屋の中も紹介します.
この部屋に洗面台とシャワー室が付いています.右手の壁はクローゼットですが,ハンガーをかけるところがなくて作ってもらいました.この窓をあけると小さなバルコニーがあって,ここに鳩が卵を生みました.
3部屋もいらんよ,と言ったのですが,書斎にしてもらって良かったです.結局家で仕事をしないといけないタイミングも多くて,リビングや寝室と違う部屋でメリハリが付きました.
この時は靴であがっていますが,玄関で脱ぐようにしました.日本人なので.バルコニーにでるところにマットが敷かれていますが,実はあれはその下の木目がめくれているところを隠しています.無垢材を使った木の床です.ソファーの向かいにはテレビ台があるのですが,荷物置き場にしていました.
コンロがありますが,その下のオーブンも含めてリプレースになりました.冷蔵庫の隣の棚には,注文して電子レンジを入れてもらいました.後から,コーヒーメーカ,湯沸かし器,トースターを追加購入して,朝食は毎朝作って食べていました.
この天井に,今は煙突が設置されています.瞬間湯沸かし器が古く,夏のある日にボンと音を立てて壊れてしまったためです.湯沸かし器は重要で,シャワーも使えませんし,冬の間のはスチームの暖房源にもなっているためです.(1のベッドの脇にあるのがスチーム.各部屋に付いています.トイレが一番暖かい).
3. 困った時は
書きながら,様々なトラブルが思い出されてきました.一人暮らしだったので,業者さんに来てもらうためには家にいないとならず,しばしば大学にいけませんでした.ジョセフ先生は,「またアパートの障害?この次来たときには,君のためにタラゴナで一番いいアパートを探してあげよう」と笑っていました.
スペイン語しか通じない話をしましたが,アパートの大家さんのノーマさん,不動産屋のブランカさんは英語もお上手でした.Whatupのアプリを入れて,何かあったらチャットしていました.ノーマさんは時々来てくれて,自らエアコンを修理したり,風呂場にシリコン入れたりと大工仕事もしてくれました.業者さんは何人も来たのですが,バイトのURVの学生さんを除いてほとんど英語は話せず,でも身振り手振りでしのぐのでした.
4. その他
スペインの都会はアパートが多いです.家に住んでいるのは,郊外が多いようです.タラゴナに限っては,ビーチの奥の方に住宅街があり,そちらは家が多そう.短期滞在者には少し不便な印象です.
学生さんの多くはルームシェアでアパートを借りているそうです.PDのみなさんは,Reusなどの近郊の街から車で通勤している人が多いです.そちらの方が家賃が安いとのことですが,検索している限りそんなに変わらないかな.タラゴナの街中には,観光地だけでなく,駅もデパートもショッピングモールもあり,生活するには便利でした.大学の近くにもアパートが多くて,そちらの方が安いそうです.
アパート探しをしている時に,ジョセフ先生が言うには,「短い期間住むなら便利なところが良い,長い期間住むなら美しいところが良い」.同感です.先生方の多くは,結構遠くの街に住んで,日本みたいに電車で1時間もかけて通ってきている人も多いです.でも私にとっては,タラゴナの市内は,十分に美しく,十分に便利な街であります!
Tarragona波止場のジョギングコース
海に面した街にはビーチが付きものですが,Tarragonaには防波堤を利用した全長4kmのジョギングコースがあります.Port Esportiuというヨットハーバが出発点になっていて,左手に海,右手に港の工場地帯を眺め,夕方にはすぐ近くをカモメの群れが飛び交います.大きな群れに出会うと,海鳥と一緒に走っている気分になれます.
右手が徒歩,または走る人のコース,左手が自転車とローラーブレードで,真ん中に車道がありますが,車はほとんど来ません.週末になると,犬の散歩,ジョギング,本格的なランナー,スケートはじめた家族連れ,競技自転車のグループ,釣り竿積んだ電動キックボードなどなど,みなそれぞれにこのコースを楽しんでいます.
3.25kmほど行ったところに灯台があります.走る時はここで折り返すと丁度7kmの適度な距離です.ここから先ももちろん行けますが,路面がちょっと荒れています.スケートの時は注意.もちろん,自分のペースで好きな距離を選べますが,分かりやすいのは次のような距離を示す表示が250mごとにあるところです.
お薦めの時間帯は夕方,日没の頃です.行きは夕日に向かって走るのですが,とても幻想的.沈む夕日にSalouの岬がシルエットなって↓こんな風に浮かびあがるのです.
Salouは賑やかなビーチのある観光地で,Tarragonaからバスで30分位で行けます.その左奥には,その先にある島のようなのが見えますが,これは陸地でL'Aldeaの先の山だと思います(その昔は,マジョルカ島かと思いこんでました).この写真のもうちょっと右には遊園地の観覧車がシルエットで見えます.たまにこの左手で釣りをしている人も見かけます.
夏場は9時,10時まで明るいのですが,冬場は5時6時で夕暮れです.暗くなってもご安心.明かりが点灯されて,ちゃんと人通りがあります.最後のカーブを曲がると,Tarragonaの旧市街がライトアップされて浮かびます.高台にあるその先のCathedoralまで見えます.ローマ時代の人々も航海から帰ってきて,この景色を見上げたのでしょうと思いを馳せます.私は走っていて,分かっていてもここでいつも,おぉ,と声を上げてしまいます.ああ,Tarragonaに来てよかったー.
ローラーブレードが楽しそうで,El Corte Inglés行って買ってきました.100euro位から求められます.車も信号もないし,初めてでも安心です.そして,スケートなら,この夜のほうが楽しいです.なぜかというと,シルエットを見ながら滑ることが出来るからです.ナイターのゲレンデを滑っている気分と言えばいいからし.是非お試しください.
注意しなければいけないことをしいて挙げると,
- 自転車が猛スピードで走っています.衝突に注意.(一度事故で倒れている人を見ました)
- 海風が強いです.なぜか行きも帰りも向かい風だったりします(気の所為か!)
- 犬の落とし物に注意.
週末はだいたいここで走っていました.アパートから5分です.ジョギングもスケートも,料金はかからないし,スペイン語話せなくても楽しめます.デバッグで何日も潰しても,論文リジェクトされても,ここで走れば嫌なことみんな忘れて来週に向かうのだ.
Tarragonaメニューの美味い店
Tarragonaは田舎なので,Barcelonaみたいには英語が通じません.英語メニューをおいている観光客向けの店は何件もあるけれど,ちょっと高いし,地元の人はいかない.
地元の人がいくところは,小さな路地にあるスペイン語かカタラン(カタルーニャ語)のみの安くて美味しい店.だいたいお昼までで夜は閉まっている.ちょっと慣れてきて,行ってみたら本当に安くてお腹いっぱいになって,簡単でした.きっとこの街にそんなお店が何件もあるんだろうけど,うちの近くのお店を紹介します.
1. Meson Andaluz
お店の前にメニューが出ている.ここでの「メニュー」は,menu del dia いわゆる,定食のこと.(ちなみに,アラカルトの方は「カルタ」という).Primero platos (第一の皿)とSegundos Platos (第2の皿)から一品づつ選んで,最後に Postres (デザート)でしめる.Bebidas は飲み物で,Vino ワインか水もついている.
これだけ食べて,12 Euro.お得でしょう.第一の皿は前菜で,Ensalada (サラダ),Fideua (短いパスタのパエリア),Sopa (スープ)など.この日は,スープにしてみたけど,Entremes de mariscos (海鮮盛り合わせ)がお薦め.観光客向けのお店なら,これだけで12eしちゃうね.
第二の皿は,Bistec (牛肉ステーキ),Pechga (鳥ササミ),Lubina (白身魚),Gambas (エビ姿焼き)などなど.いずれも,野菜やポテトなどの副菜が付いてくる.
びっくりしちゃうのは,ワインを頼むとピッチャーやこの写真のようなボトルで来ること.当然一人では飲みきれないのだけど,ついつい二杯目三杯目とグラスが進み,午後には仕事できなくなるのでした.オリーブやパンも付いてきます.
デザートは,定番のクレマカタラナにしてみました.他にもプリンとかチーズケーキがあります.
声の大きいふくよかなおばちゃまが接客してくれます.英語は話してくれないけど,こちらがいうことは分かってくれて,がははは笑いながらいつも機嫌良さそう.老夫婦や家族連れが多くて,たいていの2名席は予約済みになっています.私はいつも一人でいくので,そのへん座ってな,とどこかしら席をもらっていますが,「残念」と引き上げていくお客をしょっちゅう見ます.予約の電話番号がお店の前に貼ってありますが,1時ごろすぐに行くのが簡単でしょう.
2.El Encuentro Asturiano (オストーリアスの集い)
Mezonのすぐ近くのcenter通りにあるお店.初めはオーストリアのお店かと思っていましたが,スペイン北西部のAsturiano地方のお店だそうです.
ここは週末には夜もやっていますが,普段は早朝から開いていて,お昼が一番混んでいます.週末は特に,グループの予約が多い印象.
ここのメニューは手書きです.店の前に,毎日違うメニューが出ていて,癖のある文字でGoogle翻訳も使えないし,最初にこれを注文するのは勇気が入りました.ちなみに,夜はちゃんと印刷されたカルタがあります.スペイン語だけですけど.
大学の友人に,手書き文字の買得と基本単語を教えてもらいました.
- Fabada ファバダ 豆の煮物
- Canelones カネロニ
- Encalivada エスカリバーダ 焼きナスやピーマン,パプリカ
- Revuelto スクランブルエッグ
- Berenjena ベレンヘナ ナスとひき肉
- Ensaladila 野菜のマヨネーズあえ
- Ensalada チーズサラダ
- Costillar リブ
- Albondigas アルボンディガス ミートボール
- Dorada ドラダ白身魚
- Codillo 豚のスネ肉.カフェテリアでよく食べる
- Pechga 鶏のササミ
- Pincho 焼き鳥
- Conejo うさぎ
予習しても毎日違うので役に立ちません.しかし,心配することはありません.この店は何を頼んでも美味しいのです.メニューをスマホで撮り,PremeroとSegundoの最初のメニューを「esto (コレ)」「esto」と指差せばOKです.その日その日で驚きの味わいを楽しみましょう.
Asturiasの典型的な料理はFabada というスープだそうです.塩っけの強いベーコンとか血入りソーセージと豆が入っていて,体が温まります.
この日のSegundosは,Costillar de cerdo にしてみました.ニンニクが効いてソースが美味いです.塩辛いものばかりなのでビールを飲んでいますが,この店も,ワインを頼むとデカンタで来ます.
これに,デザートのプリンをつけて,週末は11.90e, 平日なら9.9eです.混むわけです.
なお,この店の名物には,Cachopo カチョッポというチーズとんかつがありますが,これは一人で食べてはいけません.ものすごい大きさで食べきれず,私は持ち帰り2日間食べ続けました.Tarragonaのちから自慢の男たちは,この店でカチョッポを食べきったと自慢し合う,そんな店だそうです.
若い短髪のお兄さん一人で接客をしてくれます.とてもよく気が回って,食べ終わるタイミングですぐに次が来ます.よく店内で走り回っています.
週末はだいたいこのお店のどちらかに行き,昼からワインを飲んで酔っぱらい,夕方までシエスタ(?)するのが私の定番でした.
生ビールは,una cana といいます.Vinoはメニューに含まれますが,canaは別料金ですのでご注意.(それでも安いので気にせず好きなものを飲みましょう)